コストダウンの秘訣
思ったように売上が上がらないこのごろでは
経費を圧縮して利益確保するのが一般的です。
例えば粗利益率30%の小売業では3千万円の経費で1億円の
売上が必要です。
必要売上高=経費÷粗利益率で求められますので
3千万円÷30%=1億円となります。
そこで経費を10%削減することで3百万円の利益が増加します。
しかし、この百万円の利益増を売上だけで賄うためには
3百万円÷30%=1千万円の増収が必要になります。
つまり3百万円の経費削減と1千万円の増収が利益増に
対して同じ効果となるのですから経費削減から手をつけるのが
先決となります。
しかし、経費削減にも限度があります。経費は本来売上を上げるための
推進力です。経費を全くかけずに売上を上げることは不可能であり、
1億円の売上で1千万円の利益を得るにも9千万円の経費がかかって
いるのです。そこで経費をどう有意義に使うか真価の問われるところです。
さらに注意しなければならないのは経費削減→売上減少→更なる経費
削減→更なる売上減少という悪魔のスパイラルに入ることです。
通常、売上が減少しても借入金返済額は変わりませんので、
そこで資金不足になってしまうのです。
対策を整理します。
1・コストとロスを区分する。
経費には売上獲得に貢献しない冗費(ロス)と売上獲得に貢献する必要経費
(コスト)があります。これを明確に区分する必要があります。
冗費(ロス)の代表が公私混同経費です。社長の個人的な遊興費や家事費
を会社に付けるのは絶対してはいけません。
開発費や教育費は会社の将来の売上を創るための必要経費(コスト)です。
目先の業績に囚われるあまりにここを削ってはお先真っ暗です。
2.三大経費に注目する。
経費削減する際に注目していただきたい三大経費があります。
卸売業:仕入、発送運賃、人件費
小売業:仕入、家賃又は広告宣伝費、人件費
製造業、建設業:材料費、外注費、人件費
これらの経費が1%でも削減できれば他の諸経費の何倍も削減効果が
上がります。
3.欲しいものより必要なもの
最新型の車やコンピュータが欲しくなる氣持ちも分かりますが、本当に
必要なものか今一度考えなおすことが大切です。
またよくあることとして余分に買うことは無駄使いのもとです。
まとめ買いを見直してください。
よくお客様にお話しすると、50個でいいが100個単位だから、と聞かれますが、
50個単位で購入できないか知恵を絞ることが必要だと思います。
経費削減は社長の意思決定だけでできるものです。
方法は総勘定元帳をよ~く見てください。また今までの勘や経験も
疑い、白紙の状態で取り組んでください。