個人の所得税の調査結果を発表しました

国税庁が11月27日に発表した2019年7月から2020年6月までの1年間(2019事務年度)に実施した所得税の調査結果を発表いたしました。発表によると税務調査は43万件で前年の2018事務年度から約3割減少し、追徴税額は1,132億円と約5%減少しました。新型コロナウィルスの影響により5月、6月はほとんど調査が実施できなかったことが件数の減少につながったようです。

こうした中、いわゆる「富裕層」に対する調査は4,463件の調査を実施し約8割強にあたる3,837件で申告漏れを指摘し、追徴税額が259億円と過去最高になったことがわかりました。各国の税務当局と金融口座情報を交換する制度のCRSを活用したことがこの結果に結びついているようです。

また、いわゆる「転売ヤー」の申告状況も調べたようです。

調査した1,877件のうち約9割にあたる1,680件で申告漏れなどがあり、追徴税額は65億円とこちらも過去最高となりました。

10月以降所得税の税務調査は再開されました。これからも海外資産とネット関係の税務調査は増加すると考えられます。