4つの経営指標①

経営分析というとさまざまな指標があります。

その中でもこれだけは知っておいてほしいという4つの経営指標をお話いたします。

1.安定的に儲けているか、がわかる経営安全率

経営安全率は経常利益÷限界利益×100で計算されます。限界利益は、残念ながら決算書には

ありません。

卸売業、小売業、サービス業は売上総利益と限界利益は同じと考えてよろしいでしょうが、製造業、

建設業、運送業など、原価報告書がある業種では限界利益は売上総利益と違ってきます。

ではどのように計算するのでしょうか。

限界利益は売上高-変動費で計算されます。

変動費は、売上高に変動する経費です。

製造業、建設業なら仕入や材料費、外注加工費、運送業なら燃料費、傭車費が変動費となります。

売上高からこれらの変動費をひいて限界利益を計算してください。

経営安全率は何を示しているかと申しますと、計算された%の売上が落ちたとしても経常利益が

トントンになる、つまり赤字にならないという比率です。

おおむね8%だとしたら、1カ月分の売上がなくても赤字にならないくらい

安定的に儲けているといえます。

この指標は高いほどいいと言われており、15%以上を目指していただきたいと思います。

2.資金余裕はあるか、がわかる自由資金比率

自由資金比率は、キャッシュフロー計算書と比較貸借対照表を使います。

すぐに計算できないかもしれませんが、大切な指標ですのでお話させていただきます。

計算式は、フリーキャッシュロー÷自己資本増加額×100です。

自己資本は決算書上では純資産となりますので、正確には純資産の増加額を使います。

自己資本を増加させるためには、増資か利益を上げることです。

通常は増資というのはあまり考えられないので、利益により自己資本が増加したことになります。

利益の増加とキャッシュの増加のバランスを見る比率です。

この比率が100%ということは、利益が出た分だけキャッシュも増えたということです。

100%を超えているのが理想です。70%以上を目指すようにして下さい。

マイナスの場合は「勘定あって銭足らず」という状態です。

一時的な投資による赤字ならまだしも売上債権が回収できていないとか在庫が増加している

などの要因で、この比率が悪い場合はすぐに対策をとる必要がございます。

できましたらこれも数期を計算してみるといいでしょう。

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