4つの経営指標②
3.つぶれないか、がわかる自己資本比率
自己資本比率は総資本に対する自己資本の割合です。決算書からは総資本は貸借対照表の
「負債・純資産合計」、自己資本は貸借対照表の「純資産合計」となります。
計算式を示しますと、純資産合計÷負債・純資産合計×100で計算されます。
この指標は多ければ多いほど、つぶれにくい体力のある会社ということになります。
自己資本の割合が多いということ資本金と利益の割合が多いということになりますので、
返さなくていいものが多いということになります。
自己資本比率が40%以上になると運転資金を借入する必要はなくなります。
40%以上を目指すようにしてください。
4.人件費負担に問題はないか、が分かる労働分配率
最後の指標は労働分配率です。
人件費÷限界利益×100 で計算されます。
人件費には給料のほか社会保険料や福利厚生費、通勤手当などが含まれます。
通常の会社では経費のうち人件費の占める割合が一番多いのではないかと思います。
その人件費が限界利益の中でどれくらいの比率なのかを示しています。
労働分配率が高ければ、会社の残る利益は減少してしまいます。
労働分配率は高いほど労働力を活かすことができていないし、低いほど労働力を効率的に
活用しているということです。
ですので、目標は労働分配率は低く、かつ、1人当たりの給料は高くという会社は収益力が
高いといえます。
よく給料分働くといいますが、給料の何倍もの収益をあげているということになります。
業種によってばらつきがあるとは思いますが、まずは50%以下を目指すようにしてください。
この4つの指標を見る際に大事なことは自社の指標はどう推移しているかということです。
決して他社と比較しないということです。
TKCや日本政策金融公庫などで業種別の経営指標が発表されていますが
他社と比較することは何の意味もありません。
決算書の推移や指標の推移は自社が良くなっているかどうかを見るためのもので、
他社との比較のためではありません。
人間ドックのでも同様だと思いますが、正常値と比較することはあっても
正常値でなくても他人よりいいからいいや、ということはないでしょう。
あくまでも正常値を目指す、ということになるのではないかと思います。
4つの指標も目指す正常値があります。
その正常値になるためにはどうすればいいか、と考え、計画をたて、
実行していくというのが大切です。
是非目標を見間違わないようにしてくださいね。