富裕層の申告漏れ、前年比72%増の839億円
全国の国税局が今年6月までの1年間に実施した所得税の税務調査で、富裕層の申告漏れ額が
過去最高の839億円(前年比72%増)に上ったことが国税庁のまとめでわかった。
追徴税額は238億円(同103%増)だった。
発表によると、富裕層に対する調査件数は2227件で、コロナ禍前の約半数にとどまったが、
海外投資を行う人の申告漏れ額が前年比224億円増の374億円に上り、全体を押し上げた。
海外当局との情報共有を強化していることなどが要因とみられる。
一方、暗号資産取引や外国為替証拠金取引(FX取引)などを行う個人への調査状況も
初めて公表され、申告漏れ額は162億円、追徴税額は53億円だった。
大半は暗号資産の取引で、利益を申告していない人が目立ったという。